大動脈縮窄ってなんですか?

現在、1才4ヶ月の男子ですが、心雑音の診断を受け、大きい病院での診察を進められました。心電図、レントゲンともに異常はなかったのですが、心エコーをとったところ、心臓そのものには異常はありませんでしたが、病気と言うほどではないが大動脈に少し狭いところがあると診断されました。大動脈狭窄という病気が疑われるそうです。

腕と足首の血圧の差を見たかったようですが、子供がおお泣きをしてしまい測ることはできませんでした。
かかりつけの先生にお話したところ足首で脈がとれるから心配ないと言われました。

大動脈縮窄とはどのくらい狭まっていると病気といえるのでしょうか?
病気と診断された場合、手術となると聞きましたが、何才くらいで手術するもの
なのですか?

お答え

「大動脈縮窄」という病気は、大動脈が上半身と下半身の間で狭くなっている病気です。極端に狭い場合は下半身に血液が流れませんので、生まれて一ヶ月以内にミルクが飲めなくなる、すごくぐずる、呼吸がしんどそう、といった症状から始まって、急速に状態が悪化し、緊急手術が必要になります。逆にごく僅かに狭くなっている程度であれば、一生手術せずに過ごしていけることもあります。

「大動脈縮窄」は、確かに足首で脈が触れるかどうかをみるのですが、脈もふれないようだとかなりの重症です。このような子は、たいてい見つかった時点で、「すぐに」手術です。

足首で脈が触れる場合でも、腕と足首の血圧差が30mmHg以上ある場合は中程度以上と考え、手術が必要です。血圧差が50mmHg以上ある場合は重症と考えます。

子供は腕の足首で正確に血圧を測るのは大変ですが、血圧差は、心エコー検査でもだいたい推測できます。

いつ手術するかは、血圧の差と症状によります。
50mmHg以上ならすぐに手術です。
30mmHgから50mmHgの間なら、症状を見ながら、五歳くらいまでに、という感じでしょうか。
30mmHg以下の場合は、症状が無く、病気の進行もなければ、手術せずに経過を見ることもあります。

症状というのは、赤ちゃんなら、すごくぐずる、呼吸がしんどそう、ミルクが飲めない、キーキー泣くなど。幼児期から小学生なら、上半身の高血圧のために頭痛を訴えるとか、下半身の血流不足のためにすぐにつまずく、よくこける、足がしびれる、などといったものです。

中等症以上であれば手術が必要な比較的重い心臓病ですが、ごく軽症であれば、手術が必要ない場合もあります。

最近は、ここをバルーンカテーテルで広げてしまうカテーテル治療も始まってきています。 (H12.7)



元気なのですが手術は必要ですか?

我が家の孫は、1歳児検診にて心雑音を指摘され、心エコ−の結果大動脈縮搾の診断を受けました。

今は、まったくの健康児、元気いっぱいで保育園にいっています。只今1歳4ヶ月男児です。

心エコーでの血圧差は35、CTでは35の血圧差が出るほどではなかったそうですがOpeの適応も覚悟するようにとのことです。

両親は、主治医を信じてお任せすると言っておりますが将来のある子にとってこの選択が正しいのか、ご意見をいただけますでしょうか。よろしくお願いします。

お答え

お孫さんの御相談の件ですが、血圧差35mmHg程度の大動脈縮窄の場合、無症状のことは多いと思います。 しかし、元気だからといって放置した場合、まず問題になるのは上半身の高血圧です。下半身への血流を保とうとするために上半身は慢性的に高血圧になります。4,5歳をすぎるまで放置した場合、手術をしても高血圧が残存することがあります。

また、下半身への血流が慢性的に低下するために、消化管や腎臓、肝臓といった重要な臓器の機能が低下することもありますし、すぐにころびやすいとか、階段を上るのがしんどい、とか足を引きずったように歩くといった問題が出てくることがあります。

ですから、無症状であっても、手術を勧められる場合は、手術を受けられた方がよいと思います。

大動脈縮窄で手術を考えるのは、血圧差が30mmHgを越えている場合です。
ここで問題になるのは、本当にお孫さんは血圧差が30mmHgあるのかどうかということです。

エコーの検査から得られる数値は、最近ではかなり精度は高くなってきていますが、あくまでも推定値です。手術をするべきかどうかは、おそらく心臓カテ−テル検査を受けて、実際に血圧差がどれくらいあるのか、手術が必要なほどの狭窄があるのかどうか、を見た上で決定されると思います。

お孫さんが元気だと、なぜしんどい思いをして手術を受けさせなければいけないんだと思われるのは当然のことです。しかし上に述べたような理由をしっかり理解して頂いて、手術を勧められたときは、受けらることをお勧めします。



大動脈縮窄の手術が終わっても「心臓病児」なのですか?

生後14日で大動脈縮窄症の根治手術をしました。端端吻合の手術です。

現在は経過観察のみで治療はしていません。手術が終わってとりあえず「治った」のですが、それでも「心臓病児」なんでしょうか?

それと、肺高血圧というほどでもないが正常値より高いといわれていますが、正常値より高いとどうなんでしょう?

血管の太さは何年たっても同じ太さにはならないんですか?

お答え

手術が無事に終わったことはなによりだったと思います。

ご質問の件ですが、心臓病の手術は、他の手術、例えば虫垂炎とか癌の摘出などの悪いものを取る、という手術と違い、正常な心臓に近い形に「作り上げる」手術です。どんなにうまく「作り上げる」ことができたとしても、メスを入れてない心臓や血管にはかないません。

例えばつなぎ合わせた場所が、今は大丈夫でも三年、五年たってまた狭くなってくる、ということがないとはいえません。再狭窄を起こす可能性は低いと思いますが、ゼロではないのです。

ですから手術による合併症が何もなく、極めて元気で健康そのものだとしても、全く病院に行かなくてよい、ということにはなりません。また幼稚園や小学校での扱いは、「心臓病児」ということになると思います。このニュアンスは、この子は心臓に病気がある、というよりは、もともと重症の心臓病だったので、再増悪しないかどうか注意が必要だ、というくらいの感じです。

実際は、手術による合併症が何もなくて、半年から1年に1回程度の検診を受けて再狭窄してくる兆候さえなければ、心臓病がない子たちと全く変わらない生活が送れると思います。主治医の先生に言われた間隔で病院に行くことさえ忘れなければ、あとは心臓病がない子供と同じように育てていいと思います。

>それと、肺高血圧というほどでもないが正常値より高いといわれて
>いますが、正常値より高いとどうなんでしょう。

肺の血圧が高いというのは、肺動脈が傷んでいるということです。肺動脈が傷んだ状態がずっと何年も持続すると、風邪がすぐにこじれて肺炎になりやすいとか、大人では階段を上るとすぐにゼイゼイいうとか、運動するとすぐ疲れる、などの症状が出ます。

しかし、お子さんの場合、肺の血圧が高いのは大動脈縮窄があったためだと思いますので、大動脈縮窄が治っていれば、通常は傷んだ肺動脈も少しずつ自然に治ってきます。それに伴って肺の血圧もゆっくり正常化してくることが多いです。「肺高血圧というほどでもない」という程度であれば、おそらく心配することはないと思います。

>血管の太さは何年たっても同じ太さにはならないんですか?

血管は太くなっていくと思います。問題は手術で縫い合わせた場所です。この場所だけにくびれが残ってしまうことがあります。多少くびれが残っても、問題はないのですが、くびれがだんだんときつくなってくる場合には、バルーンカテーテルで広げるカテーテル治療を行うこともあります。

手術をした場所がくびれを残さずに太くなっていってくれるかどうかは、経過を見なければわかりません。しかし今の時点で狭窄が残っているという説明がないのであれば、あまり心配することはないと思います。

 

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