肺動脈弁狭窄の治療とは?

現在生後3ヶ月で肺動脈弁狭窄と言われています。圧差は69mmHgで治療が必要なため、小児心臓専門の病院への転院を薦められています。

この様な場合、どんな治療が行われるのでしょうか?カテーテルで狭窄部分を広げることができると聞いたことがありますが、開胸しての手術が必要な場合もあるのでしょうか?

また、カテーテル及び開胸手術した場合の危険性や再狭窄の可能性は何パーセント位あるのでしょうか?術後の生活や運動制限についても心配です。

お答え

肺動脈弁狭窄で圧差69mmHgというのは、治療が必要な状態です。

治療方法は、最近ではカテーテル治療が一般的です。ただし、肺動脈弁の形態によっては、稀にカテーテル治療の効果が期待できない場合もあります。その場合は開胸手術することもありえますので、専門病院でしっかり調べてもらうことが大事だと思います。

再狭窄の可能性は、肺動脈弁の形態に大きく依存し、一概には言えません。しかし、経験的には9割以上、再狭窄はきたしていないと思います。

危険性に関しても、命の危険は絶対ないとはいいませんが、私の経験では皆元気にしていますし、まず大丈夫です。こまごまとした術後合併症についての説明が、前もって主治医の先生からあると思いますが、心痛して尻込みしてしまうことはないと思います。

無事治療が終われば、カテーテル治療の場合は翌日には元気いっぱいです。

運動制限も、ほとんどの人で不要です。ごくまれに圧差が残り、不整脈が出る人などは、中学生くらいから、運動部はだめ、など多少の制限がかかる人もいます。しかし、ほとんどの人はみんな心臓病だったことなど感じさせず、元気に飛び回っています。



肺動脈弁が肥厚しているといわれました

生まれたばかりの子が肺動脈弁狭窄症と診断されました。我が子の場合、3枚ある弁自体が肥厚しており、肺への血流が細くなっている、と言われ、専門医への受診を薦められました。

親として一番心配なのは、勿論「命に別状あるのかないのか?」ということですが、弁の肥厚に対して、外科的治療を施すとした場合には、やはり開胸手術となるのでしょうか?それともカテーテルによる治療で治癒するものなのでしょうか?

また書籍で「弁の肥厚の場合、子供の成長にともなって、相対的に弁が小さくなるので、自然治癒も期待できる」と読んだことがあるのですが、本当でしょうか。教えてください。

お答え

肺動脈弁狭窄に関して「子どもの心臓病」や「子どもの心臓病Q&A」に記載している内容は、ほとんどが弁自体が肥厚して癒着しているものについての記載です。

ですから、圧差が30-40mmHg以上ある場合は、まずはカテーテル治療を試みるのが一般的だと思います。

カテーテル治療で治癒することがどれくらい期待できるかは、一人一人様々ですが、弁が極端に肥厚していると、カテーテル治療の効果が期待できない場合もあります。受診した病院の主治医からしっかり説明を聞いてください。

しかし、最初から外科的治療を選択することは、今はほとんどないと思います。外科的治療をする場合は、開胸手術です。

圧差が20mmHg程度の肺動脈弁狭窄は、確かに自然治癒することもあります。しかし、圧差が40mmHg以上ある場合は、経験的には自然治癒しないことがほとんどだと思います。

20-40mmHgの間は、判断が難しいところです。半年から1年くらい経過を見て、圧差が30mmHgのままなら、治療を選択することもあります。少しずつ圧差が下がってくる場合は、治療せずに様子を見ていくこともあります。圧差がどれくらいなのか、が大事です。

きちんと治療していけば、命に別状はまずありません。ご心配だと思いますが、頑張ってください。



生まれたばかりの子供が大動脈弁狭窄と診断されました

圧差が50-60mmHgで重症度は中程度だといわれました。これからどんな治療をどんな時期に受けることになるのでしょうか。治療をすれば完全に治るものなのでしょうか。再発することはありますか。将来は普通の生活ができるのでしょうか。


お答え

大動脈弁狭窄の重症度は圧差で決まります。
お子さんの場合は50-60mmHgとのことですが、通常50を越えていれば、治療が必要と考えます。

十年くらい前までは、手術をして、大動脈弁の癒着をメスで切り開いて狭窄を解除していました。

現在は、バルーンカテーテルという風船の突いたカテーテルを足の付け根(鼠径部)から入れて、バルーンを開いて癒着を切り開く、という治療も行われています。カテーテル治療の方が現在は一般的になってきていると思いますが、手術の方が確実だとして、カテーテル治療よりも手術を優先している施設もあります。

治療する時期はお子さんの状態によります。どんどん狭窄がひどくなる場合は、あまり待てませんし、あまり変わらないようなら、体が大きくなるのを待って、2,3歳くらいで治療することもあります。待っている内にだんだんよくなって、治療が必要なくなる子もいます。
これからのエコー検査の結果が大事です。

手術にしても、カテーテル治療にしても、完全に狭窄をゼロにすることはできません。ゼロにしようとすると、今度は弁逆流がおこるようになり、これがひどくなると場合によっては命取りになります。ですから、圧差が10-30mmHg程度になるように、加減して治療します。その結果、また増悪してくる場合は、手術もしくはカテーテル治療を繰り返す、ということになります。

結果として一度だけの治療ですむケースは多いですが、再発するかもしれない、という気持ちは持っておかなければいけないと思います。
再発するかどうかを予測する因子は、大動脈弁の形態、弁の構造、狭窄の程度、治療した後の大動脈弁の形態、など様々で一概には言えません。主治医の先生とよく話をしてください。

治療がうまく成功すれば、小学校から高校の体育くらいは問題なくいけることが多いです。
治療後の圧差の程度によっては、中学からの運動系のクラブ活動や水泳、マラソンなどは制限されることがあります。

圧差が非常に高く残っている場合も、見た目は非常に元気で、元気に飛び回り、どこが病気なのだろうという感じになりますが、突然不整脈が出て死に至ることがあり、圧差の程度によって運動制限が必要になってきます。

この病気は圧差の程度によって深刻度は千差万別ですが、
今の圧差が持続する場合、ある程度深刻に考える必要はあると思います。

手術にしろ、カテーテル治療にしろ、治療さえすめば病気がない子供と同じになるものではありません。おそらくお子さんは見た目はとても元気で飛び回って、どこが心臓病なんだろう、という感じになると思いますが、それでもこの病気とはずっとつき合っていく気持ちは必要です。それくらい大動脈弁というのは大事な場所なのです。

大変だと思いますが、気持ちを前向きに持って頑張ってください。



 

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