心房中隔欠損のカテーテル治療について教えてください

心房中隔欠損の娘(1歳)を持っています。
今度、カテーテルの検査を受けて、手術の時期等を検討する予定です。
現在、心臓専門の病院にかかっておりますが、主治医の先生によると現在では、開胸での手術の成功率はとても高い(ほとんどリスクはない)とお聞きしましたが、一方、他から今後、日本でもカテーテルを使った心房中隔欠損の手術ができるようになるという話も聞きました。

カテーテル手術については、臨床実験が終わっていると聞きましたが、近いうちに実施できるようになるのでしょうか。また、リスク、確実性等は開胸手術と比べていかがなものでしょうか。カテーテルの手術については、「かさ」のようなものをかぶせる方法があるが、ズレたりするというような話も聞きました。

症状によって違うと思いますし、認可については国が決めることなのでしょうが、もし、医学業界での一般的な見解のようなものがありましたら、教えていただけますでしょうか。

お答え

心房中隔欠損に対するカテーテル治療についてですが、おっしゃるとおり、日本でも現在厚生省の認可待ちの状態です。
私もいつからできるようになるのか、教えてくれるところがあれば教えてほしいというのが正直な気持ちですが、学会の雰囲気などから判断して、まだ数年はかかりそうな印象を持っています。

カテーテル治療は、特に最初は、ある程度のリスクはあると思います。
臨床実験では大きな合併症はなかったように聞いていますが、全国的に行われるようになると、とくに手技に慣れていない初期の段階では、手術に比べて、若干リスクは高くなると考えなければいけないと思います。

また、心房中隔欠損のお子さんならどんな子でもカテーテル治療で治せるというものではありません。
特に初期は、真ん中に、丸くてあまり大きくない穴が開いている子にしか、カテーテル治療はできないと思います。

リスク、確実性で言えば、開胸手術の方が有利だと思います。これまでの実績と経験が段違いです。
カテーテル治療の開胸手術に比べてのメリットは、なんといっても胸に傷がつかないということでしょう。

特に女の子の場合は、このデメリットは大きいと思いますし、できるなら、カテーテル治療を待ちたいと思うのは当然のことだと思います。

外国では、心房中隔欠損に対するカテーテル治療はどんどん行われていますし、日本でも経験をつむにしたがって、開胸手術に匹敵するリスク、確実性が得られるだろうと期待しています。

お子さんがカテーテル治療を受けられるかどうかという問題については、1歳でカテーテルをおこなって、手術が必要だと言われるようなら、孔もおそらくかなり大きくて、肺に流れている血流量もかなり多いのだろうと思います。その場合、例えば来年からカテーテル治療が可能になったとしても、お子さんがカテーテル治療の対象となるのは難しいかもしれません。

心房中隔欠損に対するカテーテル治療が始まっても、特に初期の段階では、おそらく4,5歳くらいの、あなの小さな子供たちが対象になるのではないかと思っています。(H133.5)


心房中隔欠損の手術が心配です

長女が3歳で心房中隔欠損と診断されました。今5歳です。カテーテル検査では、あなの位置が特殊で、肺静脈にも異常があるといわれました。不整脈もあり、来月手術をする予定ですが、とても不安です。

この病気の手術の成功率はどれくらいなのでしょうか。輸血は必要なのでしょうか。手術が成功すれば元気に走り回れるものなのでしょうか。医療事故で脳障害が起きた話など聞くと心配でたまりません。

お答え

一般的には、心房中隔欠損の手術に関しては、心臓の手術ですから絶対ということはありませんが、命を失う心配は今の時代、まずありません。不整脈が残る心配をするくらいでしょうか。不整脈は手術の出来不出来とは関係なく、残る人は残るし、残らない人は残りません。体質のようなものです。残った場合は薬を飲むなどの治療が必要になることも稀にはあります。

体重が十数kgあれば、輸血は不要なことも多くなってきています。もちろん緊急で必要な場合はあります。輸血するかもしれないとは、思っておかなければいけません。
手術が無事終わって、2,3週間もすればみんな元気に走り回っています。

お子さんの場合、少し穴の位置が特殊なようですし、肺静脈の問題もあるとのことですが、大まかには上に述べたことが当てはまると思います。
しかし、個人個人において、リスクはそれぞれ異なります。しっかり納得いくまで主治医の先生から説明を受けることが一番大事です。信頼関係をしっかり作った上で手術に臨んでください。

心配なのは親として当然です。医療ミスの問題も不安をあおることは分かります。しかし、手術をせずに放っておく訳にはいかない病気なのも間違いないことなのです。5歳で手術というのは、この病気では一般的な年齢です。

無事手術が終わって一ヶ月もすれば、お子さんが何事もなかったように元気に走り回っておられることをお祈りします。
頑張ってください。(H11.4)



心房中隔欠損なのにとてもしんどそうなのですが?

生後10ヶ月になる男児の母です。生後3ヶ月で心房中隔欠損と言われました。当初は孔の大きさは9mmぐらいで、肺にかなり多くの血液が流れているので手術は2歳までにはしなくてはいけないと言われていました。

が、最近の検査で孔の大きさが20mm以上で心臓の右側がかなり大きくなっているそうです。このまま放っておいても良いことは無いし、今度の冬が厳しい(今までにも4回ほど風邪がひどくなって入院しました)と言われ11月頃に手術をすることになりました。

この病気とわかってからいろいろ調べたのですが、心房中隔欠損は症状がでないと書いてあります。でも、うちの子は確かに見た目は元気ですが呼吸はかなり荒いです(胸がへこみます)し、成長も遅いです(今やっと7キロです)。動きも他の子に比べると少ないと思います(個性の範囲かもしれませんが)。
病院ではそんなに心配しなくていいと言われていますが、やっぱり気になります。心臓もレントゲンを撮る度に大きくなっているそうです。まだ心配するほどではないとのことですが(たしかCTR64%と言ってました)。

急に心不全になったりしないのでしょうか。よろしくお願いします。

お答え

「心房中隔欠損は症状が出ない」とはいえません。「出ないことが多い」というのが正確な表現だと思います。お子さんのように、穴が大きくて肺に行く血流が非常に多い場合は、心臓と肺との間で血流が空回りしてしまい、心臓がオーバーヒートしてきます。これを心不全と言います。心不全というとすぐに死んでしまうようなイメージがわきますが、このような心臓がしんどい状態のことも心不全と呼びます。

呼吸が速くてしんどそうとか、すぐに風邪をこじらせる、体が大きくならない、やせている、といった症状が心房中隔欠損の赤ちゃんの心不全の症状です。

心不全症状のない「心房中隔欠損」のお子さんであれば、3,4歳から小学校入学前後くらいで手術をするのが一般的だと思いますが、心不全症状がある場合には1歳前後で手術が必要になることもあります。

お子さんはおそらくこのケースに当てはまっているのだと思います。

心不全症状が強いときは、ジゴシンという強心剤を飲んだり、肺のむくみをとる利尿剤を飲んだりします。

心房中隔欠損の心不全が急激に進行して、突然死に至るというような悪くなり方をすることはまずありません。

しかし風邪がこじれたりすると、それがきっかけで状態が悪くなる可能性はあります。しっかり定期的にみてもらうことと、風邪をひいたときは早めに診てもらってこじれないように注意することは大事だと思います。(H11.7)



10ミリの心房中隔欠損は手術が必要か?

小学1年生の娘のことで質問します。小学校の検診で心房中隔欠損と診断され、重いほうで、手術の必要があると説明されました。

心房に10ミリの穴があいているそうです。これくらいの穴で、手術の必要性がどれぐらいありますか?

見た目はとても元気です。本当に手術が必要なのでしょうか。教えてください。

お答え

心房中隔欠損は、特に小学生で見つかった場合は、閉じることはほとんど期待できず、手術が必要なことが多い病気です。

全く元気なのに、どうして手術しなければいけないのか、と思われると思います。しかし、ほっといた場合、30年40年たって症状が出てくる病気で、症状が出てからでは、手遅れになってしまう病気です。

手術が必要かどうかは、穴が何mmあいているかということだけで決まるものではありません。どれくらい肺に血液が余分に流れ込んでいるか、が大事です。人によっては、一分間に体に流れる血液の2倍、3倍もの血液が肺に流れ込みます。今は元気でも、30年もたつと肺はぼろぼろになってしまいます。ぼろぼろになって、しんどくなってそれから心臓の穴を閉じても、もうぼろぼろになった肺は元には戻りません。だから症状のない子供の内に手術が必要なのです。

かといって、穴が小さければ手術が必要ない人もおられます。手術するかどうかは一人一人に対して総合的に判断するものです。肺にどれくらいの血液が流れているかは、カテーテル検査という入院してする検査で調べます。エコーや他の検査である程度推測することもあります。

10ミリというと、一般的には手術は必要だと思います。専門医から重いほうだといわれたなら、手術は必要なのだろうと思います。

あわてて手術する必要は普通はありません。今小学1年生なら通常は1,2年くらいの間にしたほうがいいという感じでしょうか。

いつ手術するべきかは一人一人で違います。主治医の先生から、なぜ手術が必要なのか、いつするのがいいのか、しっかり話を聞いて納得した上で治療を受けて下さい。


6ミリの心房中隔欠損は閉じますか?

3ヶ月になる私の子が、1ヶ月検診で心臓に雑音があると言われ検査していただいた結果、心房中隔欠損と診断され6mm程の穴があいているといわれました。

半年後もう一度検査して様子を見るとのことでした。穴が1年以内に小さくなる確率はどの程度あるのでしょうか?又、6mmの穴は大きい方なのでしょうか?

ミルクも普通に飲み大きくなっています。
女の子なのでもし手術した場合のあと傷も心配なのですが、傷跡はかなり残るのでしょうか?

お答え

6カ月未満で心房中隔欠損と診断された場合、1歳から2歳で自然に閉じてしまう子と、自然に閉じることなく、逆に穴が大きくなっていって手術が必要になる子がいます。

もともとお母さんのお腹にいるときには、全ての赤ちゃんで心房中隔に穴が空いています。これを「卵円孔開存」といいますが、これは全ての赤ちゃんに空いているわけで、病気とはいえません。ほとんどの子は生まれて数日で閉じてしまいますが、時々6カ月から1,2歳まで空いている子がいます。これは自然閉鎖が期待できます。

まったく閉じることなく、逆に体が大きくなって心臓も大きくなるに従って、穴も大きくなる子もいます。こういう子は手術が必要になります。

>半年後もう一度検査して様子を見るとのことでした。穴が1年以内に小さくなる確率はどの程度あるのでしょうか?又、6mmの穴は大きい方なのでしょうか?

1カ月で6mmというのは、大きい方だと思います。しかし大切なのは穴の「空き方」です。6-8mmでも閉じてしまう子もいますし、最初は3,4mmしかなかったのにだんだん大きくなる子もいます。

お子さんの場合は、次の検査や1歳過ぎの検査が大事だと思います。そのころになってもまだ大きく空いているようならば、自然に閉じる可能性はかなり低くなると思います。

穴の空き方によって、閉じる可能性が高いとか低いとかいうことはできますが、一概に「確率」がいえるものではありません。

「卵円孔開存」と「心房中隔欠損」はエコーでわかることもありますが、どちらか判断に迷うこともあります。「心房中隔欠損」だと思っていても閉じてしまうこともあります。

ですから、1,2歳の頃のエコーが大事だと思います。

>ミルクも普通に飲み大きくなっています。
>女の子なのでもし手術した場合のあと傷も心配なのですが、傷跡はかなり残るのでしょうか?

手術の後の傷は、最近はだいぶ小さくなってきています。形成外科の技術も進歩してきてだいぶ目立たなくすることはできるようですが、跡が残ることにかわりありません。
あと3〜5年すれば、足の付け根の小さな傷だけで治療ができるカテーテル治療が始まる可能性があります。外国では始まっていますが、日本ではまだ始まる目途は立っていません。(H12.11)



出産はできますか。手術は急いだ方がいいですか。

今日、7歳の娘が心房中隔欠損と診断されました。穴は大きくないが沢山有って数えられないとか・・・日本の医療は日々進んでいるので少しでも遅く手術した方がいいのでは。。。と言われて、とりあえず帰ってきました。

先生のホームぺ−ジを拝見すると手術は少しでも早い方が肺が年をとらないのでは・・・急いだ方がいいのでは?と思ってしまいます。

結婚出産も考えましょうと言われましたが出産は出来ないのでしょうか?

手術した場合は他の健康な子供と同じになれますか?マラソンや登山も出来るようになりますか?

手術で失敗して死んでしまうような事は有りますか?

もし安全な手術だったら小さな穴でも塞いでもらった方がいいのですか?

よろしくお願いします。

お答え

心房中隔欠損は、たくさん穴が開いている場合は、全部合計して、どれくらい肺に流れ込んでいるかが大事になります。

主治医の先生が手術を薦められるのであれば、早め(1,2年以内くらい)で手術を受けられては、と思います。
1年, 2年経過したからといって、肺の状態が変わることは普通はありません。小学生の場合は、春休みや夏休みにみなさん手術されています。

心房中隔欠損の手術は今の医療技術であれば安全な手術といえると思います。
しかし、なんといっても心臓にメスを入れる手術です。合併症もまったくないわけではありません。もしも主治医の先生に不要だと言われた時はする必要はないと思います。

以下手術が問題なく終了して合併症が残らなかったことを前提としますが、

結婚出産も考えましょうと言われましたが出産は出来ないのでしょうか?

出産は問題ないと思います。

手術した場合は他の健康な子供と同じになれますか?マラソンや登山も出来るようになりますか?

他の健康なこどもと同じになれると思います。

マラソンや登山もできるでしょうが、主治医の先生によっては、一度心臓にメスを入れたんだから、あんまり極限までは心臓に負担はかけないように、と言われることもあると思います。

手術で失敗して死んでしまうような事は有りますか?

手術が失敗して死んでしまった例は、私は1例も経験していません。

もし安全な手術だったら小さな穴でも塞いでもらった方がいいのですか?

孔が小さくて、手術が不要だと言われた場合は、手術はしない方がいいと思います。

 

顔色が悪い気がして心配です

心房中隔欠損と言われました。もうすぐ1歳10ヶ月になる女の子です。予防接種を受けに行った検診で、「心臓に穴が開いている」と言われました。私は何を言われたのか頭が真っ白になりましたが、先生があまりにも淡々と話されて、「軽いので大丈夫ですよ。」と言われて細かい検査は後日するということでした。

先日エコー検査を受けてきました。右心房に1センチほどの穴があって血液がその穴から流れてしまうため、血が空回りしてるんだそうです。心臓に負担がかかってきているそうです。専門のところでの検査を勧められ、子供病院の循環器科を紹介してもらいました。

昨日の検査以後、不安でたまりません。なんとなく顔色が白いような気がして、それにすこーしなんですが、唇が紫色っぽいようなきがします。それ以外の症状はありません。この病気のせいか、昔から疲れやすい体質のようです。

6ヶ月頃までは呼吸が少し大変そうで体力もなく、体重も少なく、食も細かったです。今では身長も体重も平均で元気に遊んでます。今すぐどうにかなっちゃうなんて事はないですか?

鼓動が早くなっちゃうからあんまり泣かせちゃいけないのかなとか、家で静かにしてたほうがいいのかなとかいろいろ考えてしまいます。その辺はどうなんですか?
私は母親なんですが、私があんまり思い込んでもいけないと思うんですが、1週間先の検査がものすごーく長く感じてしまいます。

小児科の先生に「普通の手術の時期は学校に入ってからぐらいだけど、この子の場合はそれまでもたないかもしれないからもっと早くなるかも」と言われました。手術をすれば疲れた肺などは元気になるんですか?

いろいろ長くなってしまってすみませんが、教えてください、よろしくお願いします。

お答え

心房中隔欠損という病気は、これ単独の場合、顔色が白くなったり、唇が紫色になったりする病気ではありません。
泣かせてはいけないと極端に気をつかう必要はないですし、家で静かにしていなければいけない、ということもないと思います。

急に悪くなる病気でもありませんので、これまで育ててきた気持ちと同じ気持ちで1週間過ごしていてよいと思います。

あなが大きい場合は、早めに手術になる可能性もあると思いますが、普通は2,3歳で手術すれば肺に病気が残ることはないと思います。

心房中隔欠損はきちんと治せる病気です。あまり心配しすぎないようにしてください。

この病気は、通常見た目はとても元気なので、1センチくらいのあなが開いていても小学校に入るくらいまでわからないこともある病気です。はやめに見つかってよかったと思います。

専門病院を受診されたら話をよく聞いて、これからの治療に望んでください。

 

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